安全で快適な登山のコツとは?

                                日本山岳ガイド連盟認定ガイド 三島 健悦

 

安全で快適な登山をするにはどうすればよいでしょうか?

週末の青梅線、奥多摩行きの電車は中高年登山者でいっぱい。奥多摩駅に降りてからもも大変、目的の登山口に向うバスまでダッシュ、奥多摩だけではなく、百名山と言われる山のトップシーズンは渋滞ができるほどの混雑。まだまだ中高年登山ブームです。私が山を本格的にはじめた時もブームと言われました。そのときは純粋に高みをめざすアルピニズム追求が主流だったように思えますが、今の登山者の山を登る理由は変化しているように思えます。今の中高年登山ブームは健康志向が大きな理由になっているようです。しかし、中高年登山者を見て、あんな歩き方をしたら身体に悪いよなと思うこともあります。どういうふうにしたら登山が健康にとって良い運動になるか考えてみましょう

 

l   運動と健康

2年前に利尻山に登ったとき、7合目ぐらいでお客様が突然『ちょっと待って、何か食べなきゃ』、私『まだ、休憩じゃないですよ』、お客様『朝打ったインシュリンが切れたみたいで、何か補充しなきゃいけないんですよ』、私『ハァ〜、インシュリン?糖尿病なのですか?』、そのお客様によると下にいるとカロリーオーバーになるので、美味しいものも食べれないしビールも飲めない、山は運動するから大丈夫だということでした。そして強調していたのが、山で歩くのを止めたらもっと悪くなるからということでした。

今の時代は山にも、成人病を持った方が登ってくる時代なのですね。そもそも成人病の最大の原因は運動不足+栄養過剰にあります。運動不足と栄養過剰が重なると、体内がエネルギーオーバーになり、余ったエネルギーは脂肪になって身体に蓄積します。一部はコレステロールに変わり血液の流れを阻害し、さまざまな成人病につながっていきます。

 

l   健康によい有酸素運動

身体を動かすのは筋、筋エネルギーは食物栄養素(炭水化物・脂肪)+酸素 → 二酸化炭素+水  +エネルギー 有酸素運動をすると脂肪が燃料として燃やされます。そうすると、成人病の原因  となる余分な脂肪の蓄積を防ぐことができます。また、脂肪を燃やすときには酸素が必要とな り、呼吸循環系が鍛えられます。有酸素運動は血管にコレステロールの沈着を防いだり、すでに沈着した コレステロールを取り除き、その結果、血流を良くすることができるのです。

 

 

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